和名:シラウオ学名:Salangichthys microdon
シラウオなどの透明な魚は、その透き通る美しさが魅力です。透明な魚の質感を表現する際のポイントは、ただ「無色」に描くのではなく、背景や光の屈折によって生まれる「見え方の変化」を意識することです。今回は、シラウオを題材に、透明な魚の質感をリアルに表現するためのコツを紹介します。
1. 透明な体が映し出す「背景の歪み」を捉える
透明な魚は、その体を透過して背景が少しぼんやりと映し出されます。このぼんやりとした色味は、背景の色や影響を受けて変わります。シラウオを描く際も、魚の背後の色を体に少し反映させることで、透明感が増します。
例えば、背景が青みがかっている場合、魚の体にも淡い青を薄く重ねると、透明感が強調されます。また、背景が暗い場合には、シラウオの体が若干暗くなるように表現すると、リアリティが増します。透明であるがゆえに、背景がうっすらと「透けている」ように見せることがポイントです。
2. 光の屈折を意識して「虹色の輝き」を加える
透明な魚は、光を通すときに水とは異なる屈折率を持つため、プリズムのように光が分散され、虹色の輝きが見えることがあります。この光の屈折によって現れる虹色は、魚の体に独特の美しさを与えます。
この虹色の輝きを表現するためには、ハイライトとして淡いピンクやブルー、イエローなどの色を薄く重ね、細い線や点で表現します。特に体のラインに沿って虹色を加えることで、透明感が一層引き立ち、シラウオの神秘的な美しさを演出できます。
3. 魚体の「アウトライン」を強調しすぎない
透明な魚の場合、体の輪郭を強調しすぎると不自然になりがちです。シラウオのように体が透き通っている魚では、輪郭線を薄く描いたり、一部を途切れさせることで、より透明感が生まれます。
特に光が当たる部分では、輪郭をぼかして、ふんわりとしたハイライトで囲むようにすると自然な仕上がりになります。また、奥行きや立体感を出すためには、背びれや腹びれのエッジも細かく描くのではなく、軽く透けるように表現するのが効果的です。
4. 「反射光」で立体感を強調する
透明な魚は体の表面が少しだけ光を反射するため、光の角度に応じて体の一部が白く輝きます。この反射光は、体の立体感を強調するのに役立ちます。
シラウオの体に光が当たる部分には、白や薄いブルーのハイライトを細く入れ、光の輝きを表現します。光源の方向を意識して、体の曲がりに沿って反射光を描くことで、リアルな透明感と立体感を両立させることができます。
まとめ
透明な魚をリアルに描くには、背景や光の影響を丁寧に表現することが鍵です。シラウオのような透明な魚は、光の屈折による虹色の輝きや、ぼんやりと映し出される背景の色味を反映させることで、独特の美しさが引き出されます。この技法を活用し、透明感と立体感を活かしたイラストに挑戦してみてください。