01
図版とは
ー What are scientific illustrations?
図版(Scientific Illustration)とは、
対象の形態・構造・差異を誤認なく伝えるために
設計された視覚情報です。
図版は科学的根拠に従って設計され、
以下のような説明責任が求められる場面で使用されます。
- ・類似種の識別を行う
- ・地域個体群の差を説明する
- ・図鑑の基準図として使用する
- ・教材で標準形を提示する
- ・部位名称を説明する
◾️図版とイラスト
どちらも魚類を表現する手段として使用されますが、異なる目的で使い分けられます。
図版(Scientific Illustration):
形態・構造・差異を説明できるように整理された視覚情報
→教育、研究、展示、解説資料など
イラスト(Illustration):
見た目や印象を伝えるための視覚表現
→装飾、SNS、雰囲気表現など
◾️図版の例
ハスのScientific Illustration
© Yuki Mukoda
魚種の形態的特徴である体高比や各鰭の条数、側線鱗数、口形の特異性などの情報を学術的根拠に忠実に表現したもの。
◾️イラストの例
シマヨシノボリのIllustration
© Yuki Mukoda
特徴的要素を盛り込むことで魚種の雰囲気を出し、躍動感や愛らしさなどの表現を行なったもの。近縁種との差異などの判別要素はデフォルメされている。
02
図版が必要な理由
ー Reasons why scientific illustrations are necessary.
図版は、差異を比較可能な状態に整理します。
例えば、写真は多くの情報を含みます。
しかし、強調される要素は一定ではなく、個体差、角度、光条件によって、重要でない特徴が前面に出ることがあります。
また、文章は特徴を説明できますが、全体の関係を同時に示すことは難しくなります。
どの部位を見ればよいか、読み手ごとに解釈が分かれます。
つまり、写真や文章、一般的なイラストでは、
魚種の差異(=この魚であること)を安定して説明することが困難となってしまいます。
目的に適合した情報を抽出して整理し、
的確に表現された図版によって正しい伝達が可能となります。
アユの標準形態を基準に、
各部位の比率と計測位置を整理した図版
© Yuki Mukoda
03
図版の選択基準
ー Criteria for selecting scientific illustrations.
必要な図版は、解決したい内容によって決まります。
差異を明確にするのか、形態の基準を示すのか、構造を理解させるのか。
目的に照らし合わせることで、適切な図版を選択して下さい。
04
Blog
新着記事
New Article
メバルの見分け方|5種の違いを図で解説(アカメ・クロ・シロ・ウスメ・タケノコ)
メバルの見分け方を図で解説。アカメバル、クロメバル、シロメバル、ウスメバル、タケノコメバルの違いを同一スケールの比較図で整理し、体色・体形・顔つきの特徴から識別ポイントを分かりやすく解説します。