正確さが求められる場合、判断に必要な特徴が読み取れるよう整理した魚イラストの例
魚イラストを扱う案件で、
「この表現で本当に大丈夫だろうか」
と不安を感じた経験はないでしょうか。
クライアントからは
「正確な魚でお願いします」
「図鑑や展示に使えるレベルで」
と要望される一方で、
どこまでを正確と判断すべきかは、制作側に委ねられている
という状況は少なくありません。
本記事では、
制作会社が魚イラスト案件で“判断を引き受けすぎてしまう構造を整理し、
外注時に負担を軽減する考え方を紹介します。
問題は「描けるか」ではなく「誰が判断するか」
魚イラストの外注というと、
技術的に描けるかどうかが問題だと思われがちです。
しかし実際には、
制作現場で最も負担になるのは
描写技術だけではなく判断です。
-
この魚で合っているのか
-
近縁種との違いは十分か
-
写真通りに描くべきか、整理すべきか
これらは、
デザインスキルとは別の領域の判断です。
なぜ制作会社が判断を抱え込んでしまうのか
多くのケースで、
魚イラストに関する判断は次のように処理されます。
-
クライアントは専門家ではない
-
制作会社も魚の専門家ではない
-
しかし制作会社が最終アウトプットの責任を負う
結果として、
判断の宛先が制作会社に集中します。
フリー素材やAI画像を使う場合でも、
「これで問題ない」と判断したのは制作側です。
つまり、
使う手段に関係なく、判断責任は消えない
という構造があります。
フリー素材やAIが「楽にならない」理由
写真や素材画像では、判断に必要な特徴が読み取りにくい場合があります。
一見すると、
フリー素材やAI生成画像は便利に見えます。
しかし、正確さが求められる案件では、
次のような問題が起きやすくなります。
-
種が曖昧でも検証できない
-
特徴が混ざっていても指摘できない
-
クライアントに説明できない
結果として、
「なぜこの魚なのか説明できますか?」
という問いに、
制作側が答えられない状況が生まれます。
これは
手段を簡略化した結果、判断負担が増えている状態です。
外注先に求めるべきなのは「作業」ではなく「判断」
正確さが必要な魚イラスト案件では、
外注先に求めるべき役割が変わります。
単に
「きれいに描いてくれる人」
ではなく、
-
どの特徴を基準に描くか
-
何を省略し、何を残すか
-
誤解が起きないか
といった
制作判断を引き受けてくれるかどうか
が重要になります。
この判断が外注先に移ることで、
制作会社は
-
デザイン全体の構成
-
情報整理
-
クライアント対応
に集中できるようになります。
判断を切り分けることで、制作は楽になる
魚イラスト案件が難しく感じられるのは、
情報量が多いからではありません。
判断の所在が曖昧なまま進むことが、
負担を大きくしています。
制作の初期段階で、
-
用途(展示・教材・Webなど)
-
求められる正確さのレベル
-
説明が必要なポイント
を整理し、
判断を制作工程に組み込むことで、
後戻りや不安は大きく減ります。
まとめ
魚イラストを外注する際、
制作会社が感じる負担の正体は
「判断を引き受けすぎていること」です。
正確さが求められる案件ほど、
判断そのものを外注できるかどうかが、
制作をスムーズに進める鍵になります。
もし
「この判断を自分たちで背負うべきか迷う」
と感じた場合は、
制作判断を含めて任せるという選択肢があることを
知っておいていただくと良いかもしれません。
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作者プロフィール
大学では生物環境を専攻し、水産振興センターの指導のもと小河川の魚類生態を1年を通じて研究しました。フィールド調査や採取記録、標本作成などを行い、形態学的同定を通じて魚類の特徴や分類にも触れました。ダイナミックな魚たちの生き様を垣間見て、その美しさと生命感を肌で感じた経験が原点になっています。
こうしたフィールドでの観察経験を活かし、正確さと分かりやすさを大切にした魚のイラスト・解説を制作しています。