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サケのオリジナルイラスト

 河川回帰性が非常に強い魚で、生まれた川に正確に戻ってきます。その川特有のアミノ酸など微量の成分を嗅ぎ分けているようです。川で孵化し、5cmほどまで成長すると海に下りますが、この時の群れは川が黒くなるほどの大群でびっくりします。  海に降ってからは、小型のプランクトンなどを食べながら徐々に成長し、成熟する頃にはイワシなどの小魚も餌にしています。海洋生活は3年前後で、川の生活は孵化後までと産卵期のみのため、ほぼ海水魚ですね。
 川幅が5mほどの小河川でも遡上してきます。そんな小さな川に80cmにもなる魚が群れで遡上してきますので、秋は異様な光景に変貌します。あの5cmしかなかった稚魚が、とんでもなく大きくなって帰ってくるのです。凄まじい迫力を感じます。
 産卵を終えた個体は死んでしまい、小さな川に巨大な死骸が数体横たわっているのをみましたが、モクズガニを中心に川の生き物にとっては大変な御馳走のようでした。そして、翌年の春にはまた、小さな稚魚が大群で海に降っていきます。この中のどれくらいがまた、この川に戻ってくるんだろう、、と、命の厳しさをリアルに感じさせられます。