私たちが制作する魚類図版は、魚を美しく描くことだけを目的としていません。
目指しているのは、形態を正確に伝え、違いを明確にすること。
そのために比較図版や診断形質図版(Diagnostic Character Plate:DCP)を制作し、研究・教育・博物館・水族館など、専門用途で活用できる図版を目指しています。
この考え方を一言で表現したものが、
See Structure.
というブランドコンセプトです。
Fig. Fish Illustration Archive のブランドマークコンセプト。「See Structure.」を理念に、観察・構造化・比較・理解という知的プロセスを抽象化したブランドマークの構成要素とデザイン思想を示す。
◾️「構造を見る」とは何か
魚類を同定するとき、本当に重要なのは色や雰囲気ではありません。
どこに鰭が付き、
どの鱗が並び、
どの形質が他種と異なるのか。
つまり、
形態の構造
を見ることです。
構造を理解すると、初めて「違い」が見えてきます。
そして違いが理解できることで、
分類学、生態学、教育、展示など、さまざまな分野で正確な知識へとつながります。
Fish Illustration Archive は、この「構造を見る」という知的なプロセスそのものをブランドの中心に据えています。
◾️ロゴに魚が描かれていない理由
ブランドマークを制作する際、最初は魚のシルエットを取り入れることも考えました。
しかし検討を重ねる中で、一つの結論に至りました。
私たちが表現したいのは「魚」ではなく、「魚を見る視点」である。
魚は作品の主役です。
ブランドマークが主役になる必要はありません。
そこで、魚という具体的なモチーフを用いず、
「構造を見る」という行為そのものを抽象化することにしました。
◾️ブランドマークを構成する4つの要素
ブランドマークは、4つのシンプルな図形だけで構成されています。
フレーム
四隅のフレームは、
対象を観察するための視野
を表しています。
何を見るのか。
どこを切り取るのか。
観察は、すべてここから始まります。
尺度
左側に配置された目盛りは、
比較するための尺度
を意味しています。
形態を比較するためには、
共通の基準が必要です。
大きさ、位置、比率。
これらを揃えることで、
違いが初めて客観的な情報になります。
軸
中央の一本の線は、
構造を整理する軸
を象徴しています。
複雑な情報をそのまま並べるのではなく、
整理し、
分類し、
理解できる形へ変換する。
Fish Illustration Archive が行っている情報設計そのものを表しています。
焦点
右側の一点は、
本質
を意味します。
膨大な情報の中から、
本当に重要な特徴を見つけ出す。
DCP(Diagnostic Character Plate)も、この考え方から生まれています。
◾️「See Structure.」という思想
ブランドマークは、
一つの魚を表しているのではありません。
一つの図版を表しているのでもありません。
表しているのは、
観察する
構造を整理する
比較する
理解する
という知識が生まれるプロセスです。
Fish Illustration Archive が制作するすべての図版は、この考え方の上に成り立っています。
◾️なぜ抽象的なマークなのか
ブランドマークは、魚類図版だけのために存在するものではありません。
今後、比較図版、DCP、教育資料、学術展示、デジタルコンテンツなど、さまざまな媒体へ展開していくことを考えると、一つの魚種を象徴するロゴでは役割が限定されてしまいます。
一方、「構造を見る」という思想は、魚種や媒体を問わず共通する価値です。
だからこそ、具体的な魚ではなく、知的なプロセスそのものを象徴するマークとしました。
◾️Fish Illustration Archive が目指すもの
AIが文章を生成し、画像も容易に作れる時代になりました。
しかし、専門的な形態情報を正確に整理し、比較し、理解できる形へ変換することは、依然として専門家の知識と観察力が求められる領域です。
Fish Illustration Archive は、単に魚を描くブランドではありません。
形態情報を知識へ変換するブランドです。
その中心にある思想が、
See Structure.
複雑な形態の中から本質を見抜き、違いを明確にし、理解へとつなげる。
このブランドマークは、その理念を最もシンプルな形で表現したシンボルです。
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ご相談段階では、用途・対象・必要な表現レベルの整理から対応可能です。
作者プロフィール
大学では生物環境を専攻し、水産振興センターの指導のもと、小河川に生息する魚類の生態を一年間にわたり調査しました。
フィールド調査、採集記録、標本作成などの経験を通して、形態学的な視点から魚類の特徴や分類への理解を深めました。 実際のフィールドで観察した魚たちのダイナミックな姿や生命感に触れた経験が、現在の魚類図版制作の原点になっています。
また過去には、形成外科分野の研究論文における施術解説図(医学図版:シェーマ)の制作を担当し、図版が使用された論文は形成外科分野の
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⚪︎JPRAS Open
⚪︎European Journal of Plastic Surgery
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現在は、こうした経験を基に
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⚪︎種の識別ポイント
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